月別アーカイブ: 2013年5月

2013年のはじめに

年がすっかりあけてしまいました。
旧年中はおおくの方にお世話になりました。
本年もよろしくお願いします!
すっかりブログが更新されておらず、まことに面目ございません。
ともかく年末年始は働きづめでして、ようやく今日オフというかんじです。

元日からは一昨日まで、阪大で終日ロボット演劇の稽古に参加しています。
平田オリザさんの「働く私」という演目で、ロボットを2台動かすのですが、
内一台の動きを作ったり、オペレーションをしたりするのが、今回の仕事です。
勿論、僕は技術者ではありませんので、阪大の石黒研究室の力石さんにご指導を頂いている
わけです。写真は、力石さんと、ロボビーです。

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いくつか自由度とよばれる稼働する関節がロボットにはあり、それを0.5秒ずつの
刻みで各関節に数値を入力し、演技をさせるわけです。
演技プランは、数字の羅列で構成されます。
この風景は、なかなか興奮を覚えてしまいます。
何せ、「複製技術の演劇」が私の現在の主題ですから、
その風景が眼の前に広がっているわけです。
これは、また何かあるんじゃないかと、考えているわけです。

セリフの掛け合いも、秒単位で規定されていますので、そこにドンぴしゃにあわせて
動きを構成していきます。これがうまくいったときには、
なかなか気持ちのいい物です。

あまり詳しく書くといけないでしょうから、今日の所はこのくらいにします。
月末から3月頭まで北米ツアーにでかけます。
また、レポートを書いていきたいと考えています。

近況報告になりましたが、今年も何とぞよろしくお願い申し上げます!

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2013年 01月 08日

パサージュ2いよいよ今週末!

2ヶ月連続の新作は、やっぱしんどいですね!
パサージュ1から1ヶ月もたたぬうちに、いよいよ本番です。
台本は昨日最終があがりました!明日は仕込みっす!撮影は今日明け方おわりました!録音は今からです。台詞まだ全部覚えてません!すんません!パサージュ1の残務処理まだ終わってません!すんません!パサージュ2の宣伝、全然してません!すません!というわけで、さっき宣伝文かきましたので、ブログにコピペします!写真がいいのがないので、パサージュ1の公演写真をはりつけます。

パサージュⅡ・・・音声以前の「声」を確認するための、劇場以前の「劇場」

「はじめに声がある。あらゆる存在に先行して、声はある」
これはパサージュⅠの冒頭のセリフなんですが、ベンヤミンの言葉ではありません。劇団に所属していた頃から考えていることでして、今回はこの「声」について、ベンヤミンのテクストの中で考察しようという試みです。
舞台は、現代美術作家のやなぎみわさんが考案した、プラットフォームが既に会場となるアートエリアB1に展示されています。この展示物の上で、演技をするのですから、客席も用意されていますが、今回は使用しません。皆さんも舞台にのっかってご自由にご覧ください。なにせ、展示物なのですから、私も私の作品も展示にしてしまおうという試みでもあります。でも展示物ですから、お手は触れないようお願いいたします。セリフ、忘れてしまうかも知れません。
これはまた、パサージュⅢへの布石でもあります。俳優のアウラの複製は可能だと、「パサージュⅠ」で確信しましたので、次のステップにいこうというわけです。
演劇の複製化を思考する、アウラと声の物語です。

あらすじ
1940年ナチスの軍靴は、いよいよ亡命先のパリにも、及ぼうとしていた。
「次の日が、次の時間が何をもたらすか、まったく不確定であること。このことが、数週間前から僕の生活を支配している。」
パリをはなれようとプラットフォームで電車を待つベンヤミン。おりなす、回想と声。そこで彼は、衝撃的なアウラに出会う。

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2012年 12月 09日

「パサージュ1」公演終了いたしました!

お陰様で「パサージュ1」公演無事終了いたしました。
皆様本当にありがとうございました。
俳優のアウラの複製は可能か?という問いかけに挑戦した作品でしたが、
生の俳優のアウラの性質とは違う物だが、しかし映像の俳優が演劇時間を構成した
とはいっていい物になるだろうと、4回のアフタートークやお客様のご意見を伺って
確信した次第です。
1段目の試作としては、成功したといっていいだろうと考えています。

昨日は天理で一日講義があったので、今日一息、法然院で琵琶の演奏を
聴いてリフレッシュしてきました。
朱に染まる晩秋の法然院と、悠久の琵琶の音。
贅沢なひとときでした。

いうてるまに、もう「パサージュ2」の公演間近です。
はりきって準備に望みます。引き続きよろしくお願い申し上げます!

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2012年 11月 27日

「パサージュ1」明日初日!トークゲスト柾木博行氏

いよいよ明日本番です!
緊張感が高まってきました!

遅ればせながら、明日のアフタートークのゲストをご紹介します。
明日は、演劇誌「シアターアーツ」編集長の柾木博行さんにお越しいただきます。
この夏、利賀村で鈴木忠志さんの公演を観劇にいった折り、柾木さんもいらして、
これはチャンスと思い切ってお願いし、お引き受け頂いたのです。
わざわざ東京から起こし頂くので、いよいよ緊張してきます。

柾木さんとは、昨年の神奈川でのやなぎみわ演劇プロジェクト「1924海戦」の公演で、
初めてお会いし、僕が書かせて頂いた「海戦」「人間機械」と掲載いただきました。
シアターアーツは国内の演劇に留まらず、海外の作品、動向などの批評・レポートも
数多く掲載されております。演劇の最前線にふれられる数少ない貴重な演劇批評空間です。
是非お手にとってご覧くださいませ。

b0282711_15747322012年 11月 23日

23日から本番!

すっかりブログが止まってしまった!
いかん、いかん。今週23日(金)から25日(日)
いよいよ「パサージュ1」の本番です!
木曜から仕込みですが、今日は画角の確認に、
会場となるカフェモンタージュにお邪魔しました。

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しかし演劇というのは、稽古が重要ですね。
稽古といっても、今回の取り組みは少々勝手が違って、
映像との関わりが多くありますから、僕としても
まだまだ慣れぬところが多々あります。
機械相手の取り組みという難しさがあります。
生身の身体ではない難しさです。
で、重要というのは、この土壇場で演出変更を
決めたからです。ま、普通の芝居でしたら、
大なり小なりギリギリまでそういうことはあるのですが、
なにせ機械相手ですから、そうは身が軽くないところがあります。
というわけで、私はこれから機械な作業に入ります。
映像の三谷さんにもかなりの負担をかけることになります。
ほんと申し訳ないな〜と心の奥底から思っています。
あ、勿論といいますか、生のアナログな稽古も積まなければ
いけないのですが。ともかく、この当たりの切り替えが難しい。

話は変わりますが、最近寒い。僕は寒さにはめっぽう弱い。
ベンヤミンは、パリの安宿で一応暖房はあったそうですが、
それでも寒く、日の半分は布団に潜り込んでひきこもっていたそうです。
ひきこもりといっても、当世のようなものではありません。
それは、亡命による貧困と明日をもしれぬ不気味な政治情勢という最悪の環境が
あるせいです。それでも、否、それゆえにベンヤミンの神経は、パサージュ論に
むかっていくわけです。切迫感がうむ、文体のスピードということでしょうか。
突き刺さってくるもの感じずにはおれません。
この最悪のなかで、それでもパリという都市を楽しもうとしたともいえます。

ベンヤミンのこと、作品のこと、それと今回各回にお越しいただく
トークのゲストの方のことなど、いろいろ書きたいことが山とありますが、
、作業に戻らねばなりません。
明日、また書きます。

2012年 11月 20日